健康運動実践指導者試験では、運動生理学や栄養学だけでなく、行動変容や心理学の知識も重要な出題分野です。
運動指導の現場では、「運動の必要性は理解しているのに続かない」という方が少なくありません。
そのため、運動習慣を身につけてもらうための心理学的アプローチを理解することが重要です。
本章では、
運動実践に影響する要因
セルフエフィカシー
トランスセオレティカルモデル(TTM)
HAPA
動機づけ面接
について学びます。
第5章スライド解説
この章で学ぶこと
✓ 運動行動を左右する要因
✓ セルフエフィカシー
✓ 運動の心理的効果
✓ トランスセオレティカルモデル(TTM)
✓ HAPA
✓ ソーシャルマーケティング
✓ 動機づけ面接
✓ OARS
✓ チェンジトーク
運動実践に影響する3つの要因
運動を継続できる人とできない人の違いには、
- 社会的要因
- 心理的要因
- 環境的要因
が関係しています。
社会的要因
社会的要因とは、
- 家族
- 友人
- 指導者
からの支援や励ましです。
例えば、
- 一緒に運動する仲間がいる
- 家族が応援してくれる
- 指導者が励ましてくれる
などが運動継続を支えます。
心理的要因
心理的要因で最も重要なのが
「セルフエフィカシー」
です。
セルフエフィカシーとは
セルフエフィカシーとは、
「運動を妨げる要因があっても実践できるという自信」
を意味します。
例えば
- 雨の日でも運動できる
- 忙しくても続けられる
- 疲れていても実施できる
という自信です。
試験では最重要キーワードです。
セルフエフィカシーを高める4つの方法
① 成功体験
② 代理体験
③ 言語的説得
④ 生理・情動的喚起
試験では頻出ですので必ず覚えましょう。
環境的要因
環境も運動継続に大きく影響します。
例えば
- 自宅周辺の安全性
- 運動施設へのアクセス
- 運動器具の有無
などです。
運動がもたらす心理的効果
身体活動や運動は、
- 不安の軽減
- 抑うつの軽減
- ストレス軽減
- 自尊感情の向上
- 睡眠改善
- 認知機能向上
などの効果があります。
運動による社会的効果
運動は
- 仲間づくり
- 社会参加
- 社会的ネットワーク拡大
にも役立ちます。
トランスセオレティカルモデル(TTM)
健康運動実践指導者試験で最頻出の理論です。
個人の準備状態に応じて支援方法を変える理論です。
変容ステージ
TTMでは行動変容を5段階に分けます。
前熟考期
運動する気がない
熟考期
運動しようと思っている
準備期
少し始めている
実行期
運動を開始した
維持期
6か月以上継続
試験頻出です。
TTMを構成する4要素
① 変容ステージ
② セルフエフィカシー
③ 意思決定バランス
④ 変容プロセス
この4つの組み合わせで行動変容を説明します。
変容プロセス
代表的な10項目です。
- 意識の高揚
- ドラマティック・リリーフ
- 自己再評価
- 環境再評価
- 社会的解放
- 反対条件づけ
- 援助関係
- 強化マネジメント
- 自己解放
- 刺激コントロール
試験では名称が問われることがあります。
HAPAとは
Health Action Process Approach
の略です。
「やろうと思っているのに実行できない」
という
意図-行動ギャップ
を説明する理論です。
HAPAの特徴
行動を起こすためには
「意図」
だけでなく
「計画」
が必要と考えます。
2種類の計画
行動計画
いつ
どこで
どのように
運動するか
対処計画
雨が降ったらどうするか
忙しい日はどうするか
など障害への対応計画です。
ソーシャルマーケティング
参加者募集では、
指導者が良いと思うものを押し付けるのではなく、
対象者が求めているものを提供する
という考え方です。
セグメント化
対象者を
- 年齢
- ニーズ
- 価値観
- ライフスタイル
で分類し、
グループごとに適切なアプローチを行います。
動機づけ面接
運動指導の現場で非常に重要です。
動機づけ面接とは
「対象者自身のやる気を引き出す支援法」
です。
重要性と自信
行動変容支援では、
- 重要性
- 自信
を0~10点で評価します。
OARSとは
動機づけ面接の基本技法です。
O
Open Question
(開かれた質問)
A
Affirmation
(是認)
R
Reflective Listening
(聞き返し)
S
Summarizing
(要約)
非常に出題されやすいポイントです。
チェンジトーク
チェンジトークとは、
対象者が行動変容へ向かう発言
のことです。
DARNを覚えよう
準備段階のチェンジトーク
D
Desire(願望)
A
Ability(能力)
R
Reason(理由)
N
Need(必要性)
CATを覚えよう
実行段階のチェンジトーク
C
Commitment(宣言)
A
Activation(活性化)
T
Taking Steps(行動開始)
試験頻出です。
試験によく出るポイントまとめ
✓ セルフエフィカシー
✓ セルフエフィカシー向上の4方法
✓ 運動の心理的効果
✓ TTM
✓ 変容ステージ5段階
✓ HAPA
✓ 行動計画と対処計画
✓ OARS
✓ DARN
✓ CAT
問題演習で理解を深めましょう
心理学分野は暗記だけでは得点しにくく、理論の理解が必要です。
特に
・セルフエフィカシー
・TTM
・HAPA
・OARS
・チェンジトーク
は毎年出題される重要テーマです。
問題演習を繰り返しながら、理論と実践を結びつけて学習しましょう。
健康運動実践指導者試験対策問題集
▼ 問題集はこちら
https://note.com/health_sports/n/n14ca86912a40
スキマ時間を活用して合格を目指しましょう。