「健康運動指導士に興味はあるけれど、この資格で本当に生活していけるのだろうか。」
これは、資格取得を考えている方から最も多く寄せられる質問の一つです。
インターネットで「健康運動指導士 年収」「健康運動指導士 将来性」と検索すると、「年収300万円前後」「給料が安い」「就職先が限られる」といった記事が数多く見つかります。
そのような記事を読むと、不安になるのも無理はありません。
私は40年間会社員として勤務した後も、健康・スポーツ分野の仕事に携わり続けています。
その中で、健康増進施設やメディカルフィットネス、健康づくり事業に関わり、多くの健康運動指導士をはじめ、医師、理学療法士、健康運動実践指導者、フィットネスクラブの経営者や運動指導者など、さまざまな立場の方々と接してきました。
また、健康運動指導士試験の問題集を制作し、受験生の学習支援も続けています。
そうした現場での経験を通して感じてきたことがあります。
それは、「健康運動指導士は食べていける資格なのか」という問いに対する答えは、単純に年収だけでは語れないということです。
さらに、健康運動指導士試験の問題集を制作し、受験生のサポートも続けています。
その経験から、今回は「健康運動指導士は食べていける資格なのか」というテーマについて、率直な考えをお伝えしたいと思います。
私の結論
最初に結論を申し上げます。
資格だけで食べていくことは簡単ではありません。
しかし、
健康運動指導士という資格を武器にすれば、十分に食べていくことは可能です。
この二つは似ているようで、実は全く意味が違います。
多くの記事では、この違いについてあまり触れられていません。
「資格」と「仕事」は違う
健康運動指導士は「職業名」ではありません。
あくまでも「資格」です。
例えば、
・医師
・看護師
・理学療法士
・管理栄養士
これらも資格ですが、勤務先や働き方によって収入は大きく異なります。
健康運動指導士も同じです。
スポーツクラブで働く人もいれば、
病院、
介護施設、
自治体、
企業、
大学、
健康増進施設、
さらには独立してパーソナルトレーナーとして活躍している人もいます。
つまり、
「健康運動指導士だから年収○○万円」と一括りにはできない資格なのです。
年収だけを見ると決して高くはない
現実的に言えば、一般的なスポーツクラブ勤務では、決して高収入とは言えません。
若いうちは経験も少なく、給与も控えめなことが多いでしょう。
そのため、
「健康運動指導士は食べていけない」
というイメージが広がってしまったのだと思います。
しかし、それはスタート地点の話です。
経験を積み、専門性を高め、活躍の場を広げれば状況は大きく変わります。
私が見てきた「活躍している健康運動指導士」
私は仕事を通じて、多くの健康運動指導士の方とお会いしてきました。
その中で共通して感じることがあります。
活躍している人は、一つの仕事だけに頼っていません。
例えば、
昼間は病院で運動療法を担当し、
夜はスポーツクラブで運動指導を行い、
休日には自治体の健康教室で講師を務め、
企業の健康経営セミナーにも登壇する。
このように複数の仕事を組み合わせている方は珍しくありません。
収入も安定し、何より仕事の幅が広がります。
一方で、
「資格は取得したけれど、勤務先から言われた仕事だけを続けている」
という方は、収入も仕事内容も大きく変わらないケースが多いように感じます。
健康運動指導士の価値はこれから高まる
日本は世界でも有数の超高齢社会です。
生活習慣病、
フレイル、
サルコペニア、
介護予防、
健康寿命の延伸。
これらは今後ますます重要なテーマになります。
病気になってから治療する時代から、
病気になる前に予防する時代へ。
この流れの中で、
運動の専門家である健康運動指導士が果たす役割は確実に大きくなっていくでしょう。
医療・介護・行政・企業など、運動指導を必要とする場面は今後さらに増えていくと私は考えています。
AI時代だからこそ必要な資格
最近はAIが急速に進歩しています。
知識だけであれば、AIが教えてくれる時代です。
しかし、
利用者の体調を観察し、
表情を読み取り、
痛みや不安に寄り添い、
その人に合わせて運動を調整する。
これはAIだけでは難しい、人と人との仕事です。
健康運動指導士には、知識だけでなく、人を支え、励まし、継続を後押しする力が求められます。
その価値は、これからも失われないでしょう。
私自身も「資格だけ」で仕事をしているわけではありません
少し私自身の話をさせてください。
私は40年間の会社員生活を終えた後も、現在は健康・スポーツ分野の仕事に携わり続けています。
また、当研究会の仕事として、健康運動指導士試験の問題集を作成し、ブログを書き、noteで教材を販売するなど、受験生の学習支援にも取り組んでいます。
これらは、誰かから命令されて始めた仕事ではありません。
自分で考え、自分で必要性を感じ、自分で始めた仕事です。
健康運動指導士の方にも、同じことが言えると思います。
資格を取得した瞬間に、人生が劇的に変わるわけではありません。
大切なのは、資格を取得した後に、どう活かすかです。
その姿勢によって、資格の価値は大きく変わります。
「運動を教える人」から「健康を支える人」へ
昔は、
「筋トレを教える人」
「運動を教える先生」
というイメージが強かったかもしれません。
しかし現在は違います。
医師や看護師、
理学療法士、
管理栄養士、
薬剤師、
ケアマネジャーなど、多職種と連携しながら健康を支える存在として期待されています。
私はこれこそが、健康運動指導士の本当の価値だと思っています。
若い人へのメッセージ
もし20代、30代でこの資格取得を考えているのであれば、ぜひ視野を広げてください。
スポーツクラブだけではありません。
病院、
介護、
自治体、
企業、
学校、
オンライン指導、
パーソナルトレーニング、
講演活動、
執筆、
動画配信。
活躍できる場所はいくらでもあります。
一つの職場だけに依存しない働き方を考えることが、これからの時代には大切です。
私が思う「食べていける人」の共通点
最後に、私が現場で感じた共通点をご紹介します。
食べていける健康運動指導士は、
・学び続ける人
・相手の話をよく聞く人
・人とのつながりを大切にする人
・一つの仕事に満足しない人
・「健康」を広い視点で考えられる人
です。
逆に、資格を取得しただけで満足してしまう人は、なかなか成長の機会をつかみにくいように感じます。
まとめ
では、健康運動指導士は食べていける資格なのでしょうか。
私の答えは、
「資格だけでは食べていけません。しかし、資格を土台として、自分の専門性を磨き、仕事の幅を広げれば、十分に食べていける資格です。」
というものです。
私は還暦を過ぎた今でも、新しいことに挑戦しています。
ブログを書き、教材を作り、多くの受験生を応援しています。
年齢に関係なく、自分の価値は高めることができます。
健康運動指導士という資格も同じです。
資格そのものが人生を変えるのではありません。
その資格を通して、誰の役に立ち、どのような価値を提供するか。
そこに、この資格の本当の可能性があると、私は信じています。