こんにちは、当研究会に所属しているパーソナルトレーナーの田中です。今日は、最近感じている「小さな変化の大切さ」について綴りたいと思います。
先日、あるクライアントさんとのセッションで、心に残る出来事がありました。その方は50代の女性で、半年前から週に2回、私のもとでトレーニングを続けています。最初は「痩せたい」という漠然とした目標でしたが、徐々に「健康的に生きたい」という目標に変わっていきました。
私事ですが、実は私も40代半ばの働き盛り。2人の子育てをしながら、この仕事に携わっています。朝は5時起きで、子どもたちを学校に送り出してから、フィットネスクラブに向かう毎日です。時には疲れも溜まりますが、クライアントさんたちの頑張る姿を見ると、私も元気をもらえるんです。
さて、その日のセッション。いつものようにストレッチから始めて、有酸素運動、そして筋トレへと移っていきます。クライアントさんは黙々と、しかし確実に動きを重ねていきます。私は横で見守りながら、時折アドバイスを送ります。
「腰を落として…そうそう、その調子です!」
「呼吸を忘れずに。吐く時に力を入れて…すばらしい!」
セッションの終わり際、クライアントさんが少し照れくさそうに私に話しかけてきました。
「田中さん、実は昨日、久しぶりに階段を使ったんです。オフィスの5階まで。そしたら、以前のように息が切れなかったんです。」
その瞬間、クライアントさんの目が輝いているのに気づきました。私は思わず、心の中でガッツポーズ。でも、冷静を装って答えます。
「それは素晴らしい進歩ですね。日々の努力が実を結んでいるんですよ。」
クライアントさんは嬉しそうに頷きながら、「これからも頑張ります!」と力強く宣言しました。
この出来事は、私にとって大きな喜びでした。体重計の数字や見た目の変化だけが成果ではありません。日常生活での小さな変化、それこそが本当の意味での健康への一歩なのです。
後で知ったのですが、このクライアントさんは忙しい会社員で、2人のお子さんのお母さんでもあるそうです。私と同じく、仕事と家庭の両立に奮闘する毎日。それでも時間を作って運動に取り組む姿勢に、私は深く感銘を受けました。
パーソナルトレーナーとして、クライアントさんの体の変化を見守るのはもちろん楽しいものです。でも、それ以上に心の変化を見守れることが、この仕事の醍醐味だと私は思っています。
「階段を楽に上れた」
「朝起きた時の体の軽さが違う」
「久しぶりに会った友人に元気になったねと言われた」
こういった小さな喜びの積み重ねが、クライアントさんの人生をより豊かにしていく。そしてそれを側で見守り、サポートできる。これ以上に幸せなことはありません。
私自身、この仕事を始めて10年になりますが、毎日が学びの連続です。時には、クライアントさんから生活の知恵を教えてもらうこともあります。例えば、このクライアントさんからは、忙しい中でも健康的な食事を作るコツを教えてもらいました。今では、それを活かして我が家の食卓も少しずつ変わってきています。
もちろん、順調なことばかりではありません。モチベーションが下がってしまう時期もあれば、思うように成果が出ない時期もあります。でも、そんな時こそ、これまでの小さな成功体験を思い出すことが大切です。
「あの時、階段を楽に上れるようになりましたよね?」
「先月はこの重さを持ち上げるのが精一杯でしたが、今はこんなに楽々とできています」
こうして過去の自分と比較することで、着実に前進していることを実感してもらいます。
パーソナルトレーナーの仕事は、単に運動を教えることではありません。クライアントさんの人生に寄り添い、共に成長していくこと。そして、その過程で生まれる小さな変化に気づき、喜びを分かち合うこと。それこそが、この仕事の本質だと私は考えています。
時には、仕事と家庭の両立に疲れを感じることもあります。でも、クライアントさんの笑顔を見ると、また頑張ろうという気持ちになれるんです。私たちは互いに励まし合いながら、健康な生活を目指しているのかもしれません。
これからも、クライアントさん一人一人の小さな変化を大切にしながら、彼らの人生がより健康で豊かになるようサポートしていきたいと思います。そして、その過程で私自身も成長し続けたいと思います。
皆さんも、日々の小さな変化に目を向けてみてください。きっと、素晴らしい発見があるはずです。
そして、その小さな変化が、あなたの人生をより豊かにしてくれると信じています。