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パーソナルトレーナー日記:「高齢者トレーニングの日々【心と体の絆】」

こんにちは、当研究会の森田です。今日も元気に高齢者の皆さんとトレーニングに励んでいます。

今日のクライアントは、73歳の長野さん。いつも笑顔で頑張ってくれる方です。でも今日は、少し様子が違いました。

「森田さん、最近孫が遊びに来てくれなくてね…」

トレーニングを始める前、長野さんがポツリと漏らしました。その言葉に、私の心が揺さぶられました。高齢者の方々にとって、家族とのつながりがどれほど大切か。改めて考えさせられる瞬間でした。

さて、トレーニングを始めるにあたり、高齢者の方々への指導で特に注意していることがあります:

1. 無理のないペース設定
2. バランス能力の向上に重点
3. 水分補給の徹底
4. 体調の細かな変化に注意を払う
5. コミュニケーションを大切に

今日の長野さんには、特に2番目と5番目の点に気を付けました。体を動かしながら、ゆっくりと話を聞きます。

「お孫さんも忙しい年頃なんでしょうね。でも、きっとおじいちゃんのことを思っていますよ」

そう声をかけると、長野さんの表情が少し和らぎました。

実は私事ですが、先日祖母が入院してしまいました。仕事に追われる毎日で、なかなか会いに行けていなかったことを後悔しています。長野さんの言葉は、私自身への戒めでもありました。

さて、今日のトレーニングでは、特に下半身のバランス運動に焦点を当てました。高齢者の方にとって、転倒は大きなリスクとなります。そのため、下半身の筋力とバランス感覚を養うことが非常に重要なんです。

「長野さん、まずは片足立ちから始めましょう。でも無理は禁物ですよ。必要なら壁に手をついても大丈夫です」

慎重に、でも楽しく。そんな雰囲気で進めていきます。

ここで、高齢者指導において特に注意が必要なポイントをお伝えしておきます。等尺運動、つまり静止した状態で力を入れ続ける運動は、息を止めてしまう可能性があるんです。これは高齢者の方にとっては危険な場合があります。

「息を止めないように、ゆっくり深く呼吸しながら行いましょうね」

こまめに声をかけ、呼吸を整えながら運動を続けます。

トレーニングの後半、長野さんの動きが少しずつ軽やかになっていきました。バランス運動を繰り返すうちに、自信がついてきた様子。

「森田さん、最近階段を上るのが怖かったけど、少し自信がついたよ」

そんな言葉を聞くと、本当に嬉しくなります。

最後は満面の笑顔で「ありがとう」と言ってくれました。

この仕事の醍醐味は、単に体を鍛えるだけでなく、心の健康にも寄り添えること。そして、クライアントの方々から、私自身も多くのことを学ばせていただいていることです。

今日の長野さんとのセッションを通じて、改めて感じたことがあります。それは、高齢者の方々にとって、身体機能の維持・向上は、単に健康のためだけではないということ。それは、自信を取り戻し、生活の質を高め、そして家族との絆を深めることにもつながるのです。

帰り際、「今度孫に電話してみるよ。そして、一緒に散歩に行こうって誘ってみるんだ」と言ってくれた長野さん。その言葉に、今日も頑張って良かったと心から思いました。

皆さんも、近くにいる大切な人に、今日一本電話してみませんか?

そして、もし可能なら、一緒に歩いてみるのはどうでしょうか。その小さな行動が、誰かの大きな喜びになり、そして健康にもつながるかもしれません。

明日もまた、笑顔で、そして細心の注意を払いながら頑張ります!

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