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【図解】健康運動指導士試験対策 第8章 体力測定と評価|要点まとめ

体力測定は、現在の身体能力や健康状態を客観的に把握し、適切な運動プログラムの作成や効果判定に活用するための重要な手段です。健康運動指導士は、対象者の体力を正しく評価し、その結果に基づいて安全かつ効果的な運動指導を行うことが求められます。

本章では、体力を構成する要素や体力測定の目的、評価方法について学ぶとともに、全身持久力や高齢者の体力測定、介護予防に関する評価法、身体組成の測定方法について理解を深めます。また、最大酸素摂取量(VO₂max)やBMI、DEXA法、生体電気抵抗法(BIA法)など、健康運動指導士試験で頻出する重要事項についても整理します。

体力測定は単なる数値の記録ではなく、対象者の健康づくりや生活機能の維持・向上につなげるための重要な情報収集の手段です。本章では、それぞれの測定方法の特徴や評価のポイントを理解し、実際の運動指導に活用できる知識を身につけましょう。

 

目次

【図解】第8章 体力測定と評価のスライド

 

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第8章 体力測定と評価(前半)

1. 体力とは何か

体力の定義

体力とは、身体活動を遂行する能力に関連する様々な要素の総体である。体力は単に筋力や持久力だけを指すものではなく、健康な生活を送るための能力やスポーツパフォーマンスを発揮する能力など、多面的な要素によって構成されている。

健康運動指導士は対象者の健康状態や運動能力を把握するために体力測定を実施するが、その際には体力を構成する各要素を理解しておく必要がある。


健康関連体力

健康維持や生活習慣病予防に直接関係する体力である。

主な構成要素は以下の4つである。

全身持久力

長時間にわたり運動を継続する能力である。

代表指標

  • 最大酸素摂取量(VO₂max)

全身持久力が高い人ほど循環器疾患や生活習慣病のリスクが低いことが知られている。


筋力・筋持久力

筋力は筋肉が発揮できる最大の力をいう。

筋持久力は比較的弱い力を長時間発揮し続ける能力である。

  • 握力
  • 上体起こし
  • 椅子立ち上がりテスト

柔軟性

関節を大きく動かせる能力である。

柔軟性が低下すると

  • 腰痛
  • 肩こり
  • 転倒

などの原因となる。

代表的測定法

  • 長座体前屈

身体組成

身体を構成する脂肪や筋肉などの割合をいう。

主な評価項目

  • 体脂肪率
  • 除脂肪体重
  • BMI
  • ウエスト周囲径

技能関連体力

スポーツや運動技能の発揮に関係する体力である。

主な構成要素

  • 敏捷性
  • 平衡性
  • 協応性
  • 反応時間
  • 瞬発力

2. 体力測定の目的

体力測定は単に記録を取ることが目的ではない。

測定結果を活用して健康づくりや運動指導につなげることが重要である。

指導者側の目的

  • 運動プログラム作成
  • トレーニング効果判定
  • 弱点の発見
  • 安全管理

参加者側の目的

  • 自分の体力を知る
  • 健康づくりへの動機づけ
  • 継続的な運動習慣形成
  • 生活習慣改善

3. 適正な体力測定の条件

体力測定にはいくつかの条件が求められる。

妥当性(Validity)

測りたい能力を正確に測定できているか。

握力で筋力を評価することは妥当性が高い。


信頼性(Reliability)

同じ人を何度測定しても同じ結果になること。

測定環境や時間帯を統一することが重要である。


客観性(Objectivity)

測定者が変わっても同じ結果が得られること。


簡便性

誰でも簡単に実施できること。


経済性

時間や費用がかかりすぎないこと。


安全性

傷害や事故が起こらないこと。

特に高齢者では最重要項目である。


興味性

参加者が楽しく取り組めること。


4. 体力評価の方法

測定値は基準値と比較して評価する。

平均値

集団の代表値。

標準偏差

データのばらつきを表す。


Zスコア

Z=(測定値-平均値)÷標準偏差

特徴

  • 平均0
  • 標準偏差1

Tスコア

T=10Z+50

特徴

  • 平均50
  • 標準偏差10

Hスコア

H=14Z+50

特徴

  • 平均50
  • 標準偏差14

5. 体力年齢

体力測定結果を年齢換算したものを体力年齢という。

体力年齢が実年齢より若いほど体力水準が高い。

運動習慣のある人では体力年齢が若く算出されることが多い。

体力年齢は

  • 筋力
  • 柔軟性
  • 持久力
  • 敏捷性

など複数の測定項目から算出される。


6. 新体力テスト

20~64歳を対象とした健康関連体力評価法である。

測定項目

①握力

筋力を評価

②上体起こし

筋持久力を評価

③長座体前屈

柔軟性を評価

④反復横とび

敏捷性を評価

⑤急歩

全身持久力を評価

男子1500m
女子1000m

⑥立ち幅とび

瞬発力を評価

【図解】第8章 体力測定と評価のスライド

 

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後半では

  • VO₂max
  • 20mシャトルラン
  • 高齢者体力測定
  • 介護予防評価
  • TUG
  • CS-30
  • 身体組成
  • 水中体重秤量法
  • DEXA法
  • BIA法
  • 皮脂厚法
  • BMI
  • ウエスト・ヒップ比
  • 試験頻出ポイント

を中心に学習します。

 

第8章 体力測定と評価(後半)

※前半の続き


7. 全身持久力と最大酸素摂取量(VO₂max)

全身持久力とは、長時間にわたり運動を継続する能力であり、健康関連体力の中でも特に重要な要素である。全身持久力が高い人は、循環器疾患や生活習慣病の発症リスクが低く、健康寿命も長い傾向がある。

全身持久力を評価する代表的な指標が**最大酸素摂取量(VO₂max)**である。


最大酸素摂取量(VO₂max)とは

最大酸素摂取量とは、運動中に体内へ取り込むことができる酸素量の最大値である。

単位は

mL/kg/分

で表される。

VO₂maxが高いほど酸素を多く利用できるため、高い持久力を発揮できる。


Fickの式

VO₂maxは以下の要素で決定される。

VO₂max

=最大心拍数
×最大1回拍出量
×最大動静脈酸素較差

最大心拍数

1分間に心臓が拍動する最大回数

予測式

220-年齢

70歳の場合

220-70=150拍/分


最大1回拍出量

心臓が1回の拍動で送り出す血液量


最大動静脈酸素較差

血液から筋肉へ供給される酸素利用能力を示す。


加齢によるVO₂max低下

VO₂maxは20歳代をピークに加齢とともに低下する。

主な原因

①最大心拍数の低下

②最大1回拍出量の低下

③筋量減少

④毛細血管密度の低下

⑤ミトコンドリア機能の低下


持久性トレーニングの効果

ウォーキングやジョギングなどの持久性運動を継続するとVO₂maxは向上する。

一般的には

3~6か月

継続することで

5~20%程度

向上するとされている。


8. 全身持久力の測定法

直接法

呼気ガス分析装置を用いて測定する方法である。

特徴

  • 最も正確
  • ゴールドスタンダード
  • 専門設備が必要

主に

  • トレッドミル
  • 自転車エルゴメータ

を使用する。


間接法

実際にVO₂maxを測定せず推定する方法である。

特徴

  • 安全性が高い
  • 多人数で実施可能
  • 現場で利用しやすい

20mシャトルラン

全身持久力を評価する代表的なフィールドテストである。

方法

20m間を往復しながら走る。

電子音に合わせて速度が徐々に上昇する。

走行不能になった時点で終了する。

評価

  • 全身持久力
  • VO₂max推定

試験では頻出である。


9. 高齢者の体力測定

高齢者では体力測定そのものが身体的負担となる場合がある。

そのため安全性を最優先として実施しなければならない。


メディカルチェック

測定前には以下を確認する。

  • 心疾患
  • 高血圧
  • 整形外科疾患
  • めまい
  • 転倒歴

測定前の注意

  • 十分な睡眠
  • 飲酒を避ける
  • 激しい運動を避ける
  • 食後すぐの測定を避ける

測定中の注意

  • 心拍数の確認
  • 血圧の確認
  • RPE(主観的運動強度)の確認

異常があれば直ちに中止する。


10. 介護予防と体力測定

介護予防の目的は、高齢者が要介護状態になることを防ぎ、自立した生活を維持することである。


基本チェックリスト

介護予防対象者の選定に用いられる。

25項目から構成される。

主な評価内容

  • 日常生活機能
  • 運動機能
  • 栄養状態
  • 口腔機能
  • 認知機能
  • 閉じこもり
  • うつ傾向

11. 介護予防で用いられる体力測定

Timed Up & Go Test(TUG)

高齢者体力測定で頻出である。

方法

椅子に座る

立ち上がる

3m歩く

方向転換

戻る

着席

までの時間を測定する。

評価項目

  • 動的バランス能力
  • 移動能力
  • 転倒リスク

開眼片足立ち

評価項目

静的バランス能力

測定時間が長いほどバランス能力が高い。


CS-30

30秒椅子立ち上がりテスト

評価項目

  • 下肢筋力
  • 筋持久力

介護予防分野で非常に利用頻度が高い。


5m通常歩行

評価項目

歩行能力

移動能力


12. 身体組成とは

身体組成とは、身体を構成する脂肪・筋肉・骨・水分などの割合を示すものである。

健康状態や肥満判定に利用される。


2成分モデル

身体

=脂肪組織

+除脂肪組織


除脂肪組織(LBM)

含まれるもの

  • 筋肉
  • 水分
  • 内臓

体脂肪以外の組織を指す。


13. 身体組成測定法

水中体重秤量法

最も古典的な身体組成測定法である。

原理

脂肪の密度

約0.9g/cm³

除脂肪組織の密度

約1.1g/cm³

脂肪は軽く

筋肉や骨は重い

という性質を利用する。


特徴

長所

  • 高精度
  • 基準的方法

短所

  • 設備が必要
  • 水中で息止めが必要

空気置換法

水中体重秤量法を簡便化した方法である。

代表機器

  • Bod Pod

DEXA法

二重エネルギーX線吸収法

現在最も信頼性の高い身体組成評価法の一つである。

測定できる項目

  • 骨密度
  • 筋量
  • 脂肪量

特徴

  • 精度が高い
  • 医療現場でも利用
  • 骨粗鬆症診断に活用

生体電気抵抗法(BIA法)

家庭用体組成計の多くが採用している方法である。

原理

筋肉

→水分が多い

→電気が流れやすい

脂肪

→水分が少ない

→電気が流れにくい


長所

  • 簡便
  • 安価
  • 非侵襲的

短所

水分量の影響を受ける

測定条件を統一する必要がある。


皮脂厚法

キャリパーを用いて皮下脂肪厚を測定する方法である。

測定部位

  • 上腕背部
  • 肩甲骨下部

など

測定値から体脂肪率を推定する。


14. BMI

BMIは肥満判定に用いられる最も一般的な指標である。

計算式

BMI

=体重(kg)

÷身長(m)²


判定基準

18.5未満

→やせ

18.5~24.9

→普通体重

25以上

→肥満


日本人で死亡率が最も低いBMI

男性

22~26

女性

22~24

と報告されている。


15. ウエスト・ヒップ比(WHR)

内臓脂肪型肥満を評価する指標である。

計算式

WHR

=ウエスト周囲径

÷ヒップ周囲径


判定

男性

1.0以上

女性

0.9以上

上半身肥満


16. 身体組成評価で注意する点

測定法ごとに特徴や誤差が存在する。

例えば

  • BIA法は水分状態の影響を受ける
  • 皮脂厚法は測定者の技術に左右される
  • BMIは筋肉量を考慮できない

そのため、一つの指標だけで判断せず複数の指標を組み合わせて評価することが重要である。


試験頻出ポイントまとめ

最重要

  • VO₂max
  • Fickの式
  • 最大心拍数=220-年齢
  • 20mシャトルラン
  • TUG
  • CS-30
  • BMI
  • BIA法
  • DEXA法

覚えておきたい数値

  • 最大心拍数=220-年齢
  • BMI=体重÷身長²
  • WHR:男性1.0以上、女性0.9以上
  • 脂肪密度 約0.9g/cm³
  • 除脂肪組織密度 約1.1g/cm³

試験で狙われやすい比較

項目 評価内容
TUG 動的バランス
開眼片足立ち 静的バランス
CS-30 下肢筋力
20mシャトルラン 全身持久力
握力 筋力
長座体前屈 柔軟性
BIA法 電気抵抗
DEXA法 X線吸収
水中体重秤量法 身体密度

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